読み終わりました
推理小説のように最終的な謎解きを期待して読むと
肩透かしになるだろうな、というのがこの本の最初の印象でした
物語中に色んな謎や不思議や伏線が散りばめられていて
徐々にそれらが紡がれてくる感覚はあるんだけれど
答え合わせは最後までさせてもらえない
どう考えるかを読み手に「任せる」というよりは
書き手が答えを画一的に押し付けるスタンスを
作者がよしとしてないのかなと感じました
言葉自体には絶対的に客観的な意味や意図がある訳ではないから
伝え手が何かを表現した場合、その意図がそのまま伝わるわけじゃなくて
あくまで言葉という中間媒体から受け手が何を感じるかだと僕は思ってます
「海辺のカフカ」はそれを前提とした上で
ただのメタファーとして存在しているような気がしました
何のメタファーと感じるかはその人次第という感じで
Amazonの書評とかで、「理解ができない」的なコメントがあったけど
逆に言うと別に「理解をする」ための本じゃないんだろうなと
自分が今何を感じたいか、考えたいかという波長と
たまたまこの小説の波長が合えば面白いと思います
今の僕には面白かったですよ
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